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【ゆず×ふう】クロスーオーバー

2012年07月19日 18:27

yuzuhuu_s.jpg



某所で話が盛り上がりましてですね、ちょっとした小話かきました。
そもそもの発端が「うちの子と人の子をちゅーさせよう」っていうリクエスト企画でして。

いつもお世話になっている粗目常春さんがですね、
トンでもないリア充マンガを描いてくだすったんですよ…!(クリックで飛ぶ)
で、私が核爆発して、これだけでもご飯10杯いけるというのに
追撃の小話がきましてね、素晴らしすぎてドキドキハァハァしてギャーーってなって
いてもたってもいられなくなってうまれたSSがこちらです(・ω・)真顔
ついでに企画も1個消化。
物書きに初挑戦ということで非常につたないのですが、ぬるまゆい目で見て頂けると幸いです。


注)こちらのお話はそれぞれの創作本編とは全く関係のないフィクションです。


【登場人物】

二口ふう…桃色の髪の二口女。妖怪のまま200年ほど生き、現代のどこかで暮らしている。

白蛇柚子彦…常春さんちのお子さんで、アルビノの元悪食芸人。女物の着物が似合う美人さん。
彼の創作小話もすっごく良いのでそちらも是非是非!)

藤子…ふうの家に居候している妖怪その1。さばさばした性格の単眼女。
コン太…居候その2。見た目は小生意気な男の子だが、中身はおっさんの妖狐。
---------------


「ただいま。」

7月の湿気を帯びた暑い夜。
深夜0時半に、浮かない顔で家に戻った私を、藤子が小さくおかえりと呟いて出迎えた。
いつも早寝のはずのコン太が、遅くまでゲームで遊び、途中で力尽きてリビングでぐーすか寝ていた。

私が終電ギリギリで帰るなんてことは今まで一度も無かったからだろう、心配して起きてくれていたのだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、今はもう説明をする気力さえも殆ど残っていなかった。
重い身体を引きずって、居間のソファに突っ伏した。


…意識が、深い海の底に向かって沈んでいくようだった。

何も考えたくない、と思う一方で
意識を向けていないと、記憶の全てが手から離れて、泡のように消え去ってしまいそうだった。

初めて会った時のことも。
さよならをした時のことも。




- 七夜月の白昼夢 -







デートのお誘いを受けるのは、いつぶりの事だったかな。
身支度をしながら鼻歌なんか歌っちゃって、私は完全に浮き足立っていた。

「アラめずらし。ふうがおめかししてる!」

満面のにやけ面で話し掛けてくる藤子を尻目に、
一張羅の白いワンピースを鏡の前で整える。
普段は無地のカットソーにデニスカというラフな格好だけど、今日だけは特別なのだ。



二つのの世界が交錯する「クロスオーバー」。
細かい事はよくわからないけれども、別の世界の人たちと会うことができるという企画らしい。

そんなこんなで出会ってしまった彼の名は、柚子彦くんといった。
ふさふさの白い髪と血のように赤い瞳が印象的な彼は、なんと50年前の日本で暮らしているという。
その世界のどこかに、私もいるのかしらと思うと、なんだかとても不思議な感じがした。


クロスオーバーは、ほんの短い期間の交流企画。
もともと、ぬっぺっぽうさんのお知り合いだと聞いていたので、打ち解けるのにそう長くはかからなかった。
彼の暮らしている世界からだいぶ変わってしまっているからか、どこかへ行くたびに反応が新鮮で楽しかった。

そして、そろそろ最終日かしらと思っていた頃、彼に誘われて水族館でデートすることになった。

水族館に行くのなんて久しぶりで、ましてや男の人と出かけるなんて滅多にないことで。
あんまり私が落ち着きのないものだから、ちょっとは静かにできないのかと、藤子に叱られたっけ。
しかもこの前。二人でカラオケに行った時… キス、まで、しちゃったし。
会った時にどんな顔をしたらいいかなとか、余計なことばかりぐるぐる考えてしまって
正直、前の日は眠れた気がしなかった。


大きな魚の群れに魅了されて、
イルカのショーで大はしゃぎをして、
お腹いっぱいご飯も食べて、
思いっきり遊んで、
いっぱい笑って、
近くの遊園地にも行って、
たくさん歩き回って、
…観覧車の中で、またキスをした。


幾度も重なる唇に、熱い吐息が交わって、全てが溶けてしまいそうだった。

はっと我に返ると、二人きりとはいえ
誰かに見られてはいないだろうか気になって仕方ないわ、
気がついたら服の中に手が入っているわで、頭はもうパンク寸前で。

不思議と、怖いとか、嫌だとか全く思わなかったけれど、そんなことを考えている余裕もなく、
普段とはまったく違う”男の顔”をした柚子彦くんにくらくらして、私までどうにかなってしまいそうだった。





もっと触れていたい。
花のようにゆれるその髪を指にからめたい。
燃えるようなその赤い瞳を見つめていたい。
その唇からこぼれる吐息を肌で感じていたい。


彼の世界はここには存在しないというのに。
「夢」の一言で片付けるには、あまりにも虚しかった。




楽しい時間はあっという間、時は無情にも過ぎていくものでして。
気がついたら時刻は23時をとっくに過ぎていた。

後ろ髪を引かれる思いでいっぱいのまま、帰りの駅に着いてしまった。
改札で、先に切符を通す。
ふと、後ろの気配が遠ざかっていることに気付いた。
あれ?と思って振り返ると、柚子彦くんが改札の向こう側からじっとこちらを見ていた。


そっか、ここでお別れなのか。
改札の脇に駆け寄って、手招きをした。
神妙な顔をしている柚子彦くんを見て、ニコっと笑ってみせた。
別れ際ってどうしても湿っぽくなっちゃうから、できるだけ明るく、明るく。

「あの… 今日はありがとう。
一日中一緒に過ごせて、本当に楽しかった。」

……。
ああ、どうしよう。
二の句が継げなくて、この後なんて言ったらいいのかわからない。
たまらずうつむくと、沈黙が流れた。



帰らないで。
ずっとここにいて。


喉元までこみあげてくる言葉を、ただただ飲み込むので精一杯だった。
そうしている間にも、終電の時間が迫る。
重い口を開こうとした瞬間、先に柚子彦くんが沈黙を破った。


「・・・それじゃあ俺、戻るよ。」


ぱっと顔を上げると、柚子彦くんが微笑んでいた。

どきん、どきん、どきん。
鼓動が耳の奥で鳴り響いて、なにも聞こえなくなりそうだった。
柚子彦くんは、手のひらを前に差し出した。


「あっという間だったけど、すンごく楽しかった。…ありがとう。」


あらたまっちゃって、照れくさそうに笑う彼を見て
たまらず ぐい、とその手をひっぱって

kiss02.jpg

初めて自分からキスをした。


あまりの唐突さにびっくりしたのだろう、柚子彦くんが目を見開いたまま固まっている。
うん。これで、ちゃんと挨拶ができる。


「…おやすみなさい。
 どうか、気をつけて帰ってね。」


そう言うと、くるりと踵を返して、階段へと向かった。
最後にもう一度だけ目に焼き付けておこう、と思ってちらりと振り返ると、
そこにはもう彼の姿はなかった。


とたんに、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになって、視界がぼやけて歪んだ。
ホームに上がって、目からこぼれそうになるものを落とすまいと見上げると、空には綺麗な天の川が流れていた。









―――翌日。


目が覚めたのは、日が暮れる頃だった。

「やっと起きたか。顔洗って来い、すごい顔だぞ」

コン太がひょっこり顔を出す。
ソファで泥のように眠ってしまったらしく、化粧も何もかも昨日のままだったことに気がついた。

いつもの白いカットソーとデニムに着替えて、顔を洗う。
ワンピースは、洗濯機に放り込むのをいったん保留にした。

太陽がすっぽり沈みかけて、ベランダでゆったり空を見ながら涼んでいると
藤子がものすごく意外なことを言い出した。


「ねえ。ちょっと遅いけど、七夕送りしない?」

季節の行事にはまったく興味がないタイプだと思い込んでいたので驚いて、
熱でもあるのではとあわてて額に手を当ててみた。熱はない…。


「ガラじゃないって言いたいんでしょ? 
 おあいにくさま、あたし意外と好きなのよこういうの。
 笹の葉もあるし。近くに川もあるから、たまには風流なことしようじゃん。」


ほらほら早く書きなさいよ、先に行ってるわよ!と言われて、ペンを片手に短冊を見つめる。
うーん、なんて書こうかしら…。



アパートを出てすぐ近くの川に向かうと、既に二人が待っていた。

藤子の短冊には新しい恋人がはやくできますように、と書いてあった。
コン太はというと、あれが欲しいだのこれが食べたいだの、短冊を何枚も使って欲望の数々を綴っていた。

私は結局悩んだ末、二枚短冊を書いた。
一枚目は、家内安全をお願いした。
もうひとつの短冊はコン太が必死に見たがったが、胸の奥にしまっておきたくて最後まで見せなかった。


3人で、そっと川に短冊を流す。
流されていく短冊を見つめていると、水性ペンで書いた文字がじわりと滲んでいくのが見えた。

コン太が面白がって、一緒に追いかけていった。
…まったく、私より長生きのくせに子供っぽいんだから。

川辺の芝の上に座って静かにその様子を見ていると、タバコをふかしていた藤子が側に来てぼそっと呟いた。


「…なーにがあったのか知らないけどさぁ、アンタがしょげてると
 こっちまで調子狂うのよ。」


はっと藤子の顔を見る。
なんにも考えていない風で、実は気にかけてくれていたんだ。

嬉しいんだか悲しいんだかよくわからない感情がこみ上げて
たまらず、目からぽろりと涙が落ちた。

藤子は黙って、頭をぽんぽんと撫でてくれた。
もう、ズルいんだから。
何かの糸が切れたように涙が止まらなくなって、しばらく藤子の肩によりかかって子供のように泣いていた。




---------------


ダラッシャーーーーーーーァァァァァ!!!
ハァ、やっと書けた、文章って意外にすげ時間かかる_(┐「ε:)_←ずっと一週間くらい推敲してた

いやぁこんな切ない感じにするつもりなかったんだけど、おかしいねどうしてこうなった?(白目)
後日談としてさっくりさせようと思ったらふう視点の小話になってしまいました。でへへ。
個人的に七夕ネタ描けて満足でした。
なんか織姫と彦星みたいだよねって話してたので。
こんなに創作熱がヒートアップしたのは久々で、常春さんには感謝してもしきれません。
本当にありがとうございます!!!(ジャンピング土下座)


おまけの裏話小マンガ↓

oti_20120719184834.jpg

っていうわけで、よければまたウチの子らを召喚してやってください。
クロスオーバーどんと来いじゃ!
ツイッタでも言ってたけど、一種の二次創作だからこそさっくり書けるし、
また来てね〜って言い合えるっていう、この創作の醍醐味というか、最高だよね。うん。


最後に(長くてすみません)

fuu.jpg

↑常春さんの小話の中での、観覧車の描写読んだらもう すごい も こういう 顔
描きたくなってしまってヾ(ノシヾε:)ノシ
すごく楽しかった、本当にもうありがとうございます_| ̄|○
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